ボクは、このブログで数字の重要性について、かなり強調してきました。だからといって、数字だけを学習していれば合格できるというわけではありません。
ボクが思うに、数字と同じくらい重要な論点に、国語でいう「述語」があると思います。
例えば、平成26年度試験の「労働基準法・労働安全衛生法」の問題。
厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示をした場合において、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全又は衛生に係る診断を受け、かつ、特別安全衛生改善計画の作成又は変更について、これらの者の意見を聴くべきことを ことができる。
ここに何が入るかです。選択肢は、「指導する・命ずる・勧奨する……」などがありました。正解は「勧奨する」なのですが、「述語」を軽んじていると、
「あれ? なんだったっけ?」
と、悩むことになります。
社労士試験は、法律の試験なので、このような細かい「述語」について繊細でなければなりません。この他にも「認可する」なのか、「許可する」なのか、「認定する」なのか。あるいは、「みなす」なのか、「推定する」なのか、このような細かい「述語」に敏感になる必要があります。
当然、それぞれの意味は異なるわけで、例えば「みなす」と「推定する」の違いは次のようになります。
「みなす」⇒事実は異なるかもしれないが、法律上、そのようなものとして取り扱う。仮に事実と違っていても、修正はできない。
「推定する」⇒事実は異なるかもしれないが、一応そのように判断する。ただし、事実と異なっていた場合は、修正する。
だから、船舶が沈没したときに、労働者がその日に死亡したものと「推定する」わけは、仮にあとで生きていたら、修正可能だからです。もし、「みなす」であれば、生きていたことが分かったときに困りますからね。
というふうに、みなさん、社労士試験は「述語」も大切にしてください。