「覚えたんだけど、いざ問題をやってみると、なかなか出てこない」
ときどき受験生から聞く言葉です。
これは、特に語呂合わせで覚えたところに多い現象のようです。
社労士のテキストなんか見ていると「語呂合わせで覚えよう!」なんてものが多いですよね。それどころか語呂合わせに特化したテキストだってあるくらいです。
だけど、この語呂合わせ、とても便利なのですが、思わぬ盲点があるのも事実です。
例えば「かつべし住宅リーチ」という語呂は覚えたものの、これと「割増賃金の計算の基礎に含めない賃金」とがリンクしていないんですね。
①家族手当 ②通勤手当 ③別居手当 ④子女教育手当 ⑤住宅手当 ⑥臨時に支払われた賃金 ⑦1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金
上記①~⑦は、割増賃金の計算の基礎には含めない賃金で、これらの頭をとって「かつべし住宅リーチ」です。
だけど、いざ問題を出されると、この「かつべし住宅リーチ」が出てこない。「割増賃金の計算の基礎に含めない賃金」と、頭の中でリンクしていないからです。
また「かつべし住宅リーチ」という語呂合わせが、「割増賃金の計算の基礎に含めない賃金」のことだとわかっていても、「皆勤手当は、割増賃金の計算の基礎に含めない賃金である」という問題を出されると、「あ、かつべし住宅リーチの『か』だから、○だ」ってことになってしまう。「かつべし」の「か」は、「家族手当」「か」なのに……。
こんな間違いを犯すのは、「かつべし」の「か」の意味の記憶があやふやだからですね。
ボクは決して語呂合わせを否定しません。
いえ、それどころか「ぎょうさんしいくし」とか、「ぎょうさんいくねん」とか、「ABCDEFG」とか、かなりの項目について、語呂合わせで覚えました。
(みなさんは上記の語呂合わせが、「何」のことだかわかりますか?)
大切なのは、語呂合わせで覚えたら、「それが何についての語呂合わせなのか」、「もともとその語呂合わせの意味はなんだったのか」を理解しておくことです。
「折角語呂合わせで覚えたのに、試験で使えない」ではもったいなさすぎます。