ときどき訊かれます。
「社労士って食べられる資格なんですか?」
はっきり言います。
「資格を取っただけでは食べられません」
行政書士だって、税理士だって、弁護士だって、どんな資格だってそうだと思いますが、資格を取りました、事務所を構えました、これだけで食えるようにはなりません。食えるようになるには、営業力と運が大切だと思います。
ボクの場合、営業力はゼロです。なんせ家にこもって小説を書いているのが好きなネクラなオッサンですからね。営業力があるとは思えません。
だけど、営業力のある人はすごくて、ボクよりもだいぶ後に開業したのに、すでに数人の事務員を抱えて仕事をしている、なんて社労士も結構います。話を聞くと、飛び込みの営業をしまくったとか。いまも雇用している事務員に飛び込みをさせていると言っていました。
ボクの場合、なんとなく細々ながらも仕事があるのは、運以外の何ものでもないと思います。
例えば、友人に誘われて士業の交流パーティーに行ったことがあります。このとき、ボクは自分から話しかけることはできません。基本的に、ボクはパーティーの席では「壁の華」ならぬ「壁のドクダミ草」。だいたい「元を取るぞ」の勢いで、誰ともしゃべらず酒を飲み、食べ物を食べ続けます。そんなヤツを見て、憐れに思う人がいて、色々声をかけてくれたりして、「今度仕事を振りますよ」なんて言ってくれる人がいるんですね。
これって運以外の何ものでもありません。
また、社労士の研修会でたまたま知り合った人が、ボクの息子の保育園時代の友人のおじいちゃんだった、なんてこともありました。その人も社労士なのですが、開業していないんですね。それでいくつかお客さまを紹介してもらったりもしました。
むかしから言いますが、縁は異なものです。
社労士に限りません、サラリーマンだって、アルバイトだって、パートだって、いつ、どこで、どんな繋がりを持つかわかりません。
ボクは人として、縁を大事にしていきたいなって思っています。