11solilquy

 

 

 

 

司法試験も、公認会計士試験も、司法書士試験も、税理士試験も、そして、社会保険労務士試験も、国家資格に関する試験は1年に1度しかありません。だから、受験生は、その1年に1度の試験に全身全霊を傾けて学習し、合格を勝ち取りに行くわけです。だからこそ、実力で合否が判断される問題であってほしい。「勘がよかった」、「運がよかった」が合否を分ける試験にはしてほしくないと思います。

 

例えば、平成28年度の「労務管理その他の労働に関する一般常識」の選択式問題。

 

1.「平成23年就労条件総合調査(厚生労働省)」によると、現金給与額が労働費用総額に占める割合は約A(選択肢:①2割 ②4割 ③6割 ④8割)である。次に、法定福利費に注目して、現金給与以外の労働費用に占める法定福利費の割合は平成10年以降上昇傾向にあり、平成23年調査では約B(選択肢:①3割 ②6割 ③7割 ④9割)になった。法定福利費の中で最も大きな割合を占めているのがC(選択肢:①健康保険料・介護保険料 ②厚生年金保険料 ③児童手当拠出金 ④労働保険料)である。

 

2.政府は、毎年6月30日現在における労働組合数と労働組合員数を調査し、労働組合組織率を発表している。この組織率は、通常、推定組織率と言われるが、その理由は、組織率算定の分母となる雇用労働者数として「D(選択肢:①雇用動向調査 ②賃金構造基本統計調査 ③毎月勤労統計調査 ④労働力調査)」の結果を用いているからである。

 

労働組合の組織及び活動の実態等を明らかにするために実施されている「平成25年労働組合活動等に関する実態調査(厚生労働省)によると、組合活動の重点課題として、組織拡大に「取り組んでいる」と回答した単位労働組合の割合は、E(選択肢:①約4分の1 ②約3分の1 ③約半数 ④約3分の2)になっている。

 

この問題で、社労士試験の学習をしていた人が自信を持って答えられるのは「C」の選択肢だけです。Cについては、保険料率が頭に入っていれば絶対にできなければいけない問題ですね。

 

だけど、他は違います。ある種、勘と運。

 
まず、「労働費用」ってなに? からはじまるのではないでしょうか。そして、「現金給与額が労働費用総額に占める割合?????」となり、「うわーっ、もうだめだあ!」って、頭がパニック状態に陥るのではだいでしょうか。

 

この問題、「2問正解でOK」という救済がありましたが、それにしても実力と関係のない力が多分に働いた問題だったように思います。

 

一生懸命学習した人間が、実力で合格できる試験であってほしい。

 

ボクは、心の底からそう思っています。

 

 

 

 

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