サラリーマンはいいなって思うことが時々あります。

社労士事務所を自分ひとりでやっていると、結構怖いんです。

どんなときが怖いかというと、クライアントから契約を解除されたときです。

ボクも社労士事務所をはじめて16年経っていますから、過去に10社くらい契約のなくなったクライアントがいます。

これって即ち収入減に直結しますから、ものすごく恐怖です。

1社から契約解除の話を受けただけで、全部の会社から契約解除されたらどうしようって、マイナス思考の滝壺に落ち込んでしまいます。

 

その点、サラリーマンはいいですよね。

まず賃金が下がることはよほどのことがない限りあり得ません。

これは、社労士になると必然的に見につく知識なのですが、労働者の労働条件を不利益に変更する場合には、原則、個別の同意が必要になるからです。

 

「あなたの給料を下げます」と言われて、

「わーっははは、どうぞどうぞ」

 

なんて方、あまりいらっしゃいませんよね。

 

だから、サラリーマンの賃金は、そんなに下がることはない。参考のために書いておくと、労働者の労働条件の不利益変更の是非については、次の事項が判断材料になります。

 

①労働者が被る不利益の程度(大きすぎる場合は認められない可能性が高い)

②会社側の変更の必要性(労働条件を下げないと倒産の危機にあるような場合は可能性あり)

③変更後の就業規則の内容の相当性(変更後の就業規則の内容が常識的なら可能性あり)

④代償措置や他の労働条件の改善状況(ある労働条件は下がるが、別の労働条件を上げる場合は可能性あり)

⑤過半数労働組合との交渉の経緯(しっかり話し合っているか)

⑥他の組合や組合員以外の社員に対する対応(しっかり話し合っているか)

⑦同業他社の国内における一般的状況(他の会社は?)

 

だからと言って後ろばかり向いていられません。

年金をもらえるようになるまで、あと8年少し。ボクの場合は、ほとんど国民年金しかもらえないのでたいした額ではありませんが、それでも解除とかにならないお金です。

さて、仕事をするか……。